NPO法人 日本卵殻膜推進協会

卵殻膜に関する研究発表

卵殻膜摂取が腸内フローラを改善させ、脂質の代謝を高め、生活習慣病と深い関わりのある肥満の抑制効果がある可能性

■媒体名:Food Science & Nutrition
■掲載日:2020年4月5日
■研究者:ラムリ・ナルル・シャジーニ1、2)、賈慧娟1)、関根渉1)、
リュウ・ウェイダ1)、古川恭平1)、斉藤健司1),、長谷部由紀夫3)、加藤久典1)
1)東京大学大学院農学生命科学研究科
2)マレーシアプトラ大学食品科学部
3)株式会社アルマード

【研究方法と結果】
実験用マウスそれぞれに、「対照食」、「高脂肪食」、または「高脂肪食+8%卵殻膜粉末」のいずれかを20週間にわたり与えたところ、高脂肪食を与えられたマウスが卵殻膜を同時摂取することにより、以下のことが分かった。

1. 血漿トリグリセリド(TG)および肝総コレステロール(TC)が減少し、カルニチンパルミトイルトランスビセラーゼ1Aおよびサイトカインシグナル伝達の抑制剤2などの脂質代謝遺伝子の発現を亢進させた

2. 腸内細菌叢(腸内フローラ)の解析では、抗肥満細菌である乳酸菌ロイテリの相対的な量が4、12および16週で上昇し、炎症関連のブラウティア・ヒドロトロチカ、ローズブリア・ファイシス、およびルミノコッカス・カリヌスの相対量が12と20週で減少した

3. さらに、卵殻膜摂取は、マウス盲腸内のイソ酪酸を増加させ、ブラウティア・ヒドロトロピカおよびパラバキテロイド・ゴールドシュタインイと負の相関を示した

【結論】
高脂肪食を与えられたマウスの卵殻膜摂取が、血漿TGおよび肝臓TCを減少させ、また脂質代謝遺伝子発現および腸内微生物叢組成を調節できたことから、卵殻膜が脂質代謝に有効である可能性が示唆された。